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ヘルニア患者暦20年目の挑戦

投稿日: 2018年1月29日  | カテゴリ: SORA 患者さんの声

 

『椎間板ヘルニアと思って20年生きてきたし疑いもしてなかったけど

 今日説明されると何も質問出てこないぐらい自分は椎間板ヘルニアではないことを納得しました』


 

腰痛でお悩みの方とたくさん接する中で

Dr.の診断や治療家の何気ない一言が

その人の人生を左右することも少なくない

そのことを日々痛感します。

 

あいまいな一言

あやふやな診断基準

腰痛神話に基づく時代遅れのアドバイス…

 

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本当に僕達治療家として気をつけなければいけません。

再認識の意味を込めて症例をもとにお話ししていきます。

 

今回診させていただいた患者さん

40代 男性

開口一番 

『僕は20年前から椎間板ヘルニアで苦しんできていてマッサージをはじめいろいろな病院や治療院も回りましたが何も変わらなくて今まで来ています』と。

 

≪現在の症状≫

腰の痛み

臀部とふくらはぎとすねのしびれ

 

椎間板ヘルニア=しびれのイメージからするとあり得るケースでしたが

カウンセリングの中でいくつか気になるポイントがありました。

 

例えば、今は座っているほうが楽という状態

また座っている様子を見ていると必ず膝に手を置いて

上半身の体重を逃がしておられました。

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椎間板内圧は座位の方が3倍近く荷重がかかります。

ヘルニアの種類にもよりますが

多くの椎間板ヘルニアの患者さんは座りが一番苦痛と訴えることが多いのです。

 

また、気になる点はほかにもいくつかありました。

 

もう一つだけ挙げておくと

しびれの出ているエリアがいくつもの神経の担当エリアをまたいでいたこと

 

人間の構造緻密でよくできています。

神経の担当エリアも営業さんの担当エリアと同様分かれていますが

初見でお聞きする限り

いくつもの神経担当エリアであったので


☑脊髄の神経根性の同時発生の症状なのか

☑いくつかの病変が混在しているのかそんなことを考えながら

かつ、簡単に前置きの説明として

一度ヘルニアという診断をリセットした状態でこれから

一緒に考えましょう、と伝えました。

 

≪腰痛ヒストリ― 20年前にさかのぼる≫

もう一度詳しく20年前の状態からお聞きしていきました

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腰痛の原因は20年前に起きたアクシデントでした。

水上ジェットスキーで水面に打ち付けられ

またロープが絡まってしまいそのまま水上を引きずられ

かなりの重症で救急搬送され

搬送先の病院で椎間板ヘルニアの診断が下されたとの事でした。

ただ、ここで大事なこと

レントゲン検査の結果、この方は椎間板ヘルニアを診断されていたのです。

 

椎間板ヘルニア診療ガイドラインでも

書かれている通り

レントゲン検査では椎間板ヘルニアの確定診断はできません

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いまなお多くの患者さんがレントゲンでの検査結果を踏まえて

椎間板ヘルニアと宣告されていること

幻の椎間板ヘルニア患者をつくってしまう

腰痛患者をつくる要因の一つだとも思います。

 

信頼できる画像診断の場合もありますが

今回は少し信頼することが難しいかもと感じていました。

 

さて、ヒストリーに戻ります。


アクシデントからの救急搬送を経て

全く動けない状態から動けるようになるまでかなりの時間がかかった、と。

 

Q.何をきっかけに動けるようになりましたか??

その問いに対しての答えは

『鍼を何度かしてもらってから』

筋肉を少し調整してもらったら動き出せるようになった

その後はしびれもなく何度かぎっくり腰を経験した、と。

 

たくさんの情報を整理しながら

ここからは鑑別診断のためのスペシャルテストとして

動きのチェックを行いました。

その結果

SORAの判断として僕がこの方にお伝えしたことは

 

『椎間板ヘルニアの症状ではありません』

『ケガによる仙腸靭帯のダメージと

 仙腸関節ならびに殿筋の機能不全による梨状筋症候群です』

『足のしびれは腰由来ではなく足の血流不全と考えます』

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骨模型やスライドをお見せして

そう判断した根拠を僕なりに説明して

治療方法と治療回数を伝えました。

 

なぜいま痛みが出るのか??

その理由を紐解きながら

今回の治療計画の提案は


仙腸靭帯の修復 ⇒超音波治療

硬くなった筋肉⇒除圧下でのストレッチ+超音波治療

殿筋機能低下⇒負荷をかけたお尻のトレーニング


を、組み合わせてのプログラムです。

 

☑座り続ける時間をできるだけ短くすること

☑必ず運動(歩く)時間を作り日々続けること

 

この2つを本人さんにも確認してお約束いただき

僕たちができることは全力でサポートしていきます。

 

間違った腰痛に関する情報があまりに多すぎて

それゆえにたくさんの思い込みがあることを日々感じています。

情報が錯綜する情報社会の中で

いかに正しい情報を見極めて身体リテラシーを高めていくか??

これから先もとてもとても大事なことです。

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治療の現場での経験を通して

いろいろな土地で講演の機会に出会う方達へ

少しでも良識をお伝えできるようにこれからも

SORAとして全力で取り組んでいきます。

 


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